おじさんの性欲

 風俗嬢だった(引退しました)過去の中で一番お歳をめしたお客さんの年齢は『83歳』だ。
 
『うっそー!まじで!勃起すんの?』
 
 お客さんに「今まで出会った最高年齢のお客さんはいくつだったの?」という全くもってくだらない質問をよくされたので、その旨を話すと、男性たちは雁首そろえて、「信じられない」と、首を横に振った。確かに今思えば普通ではなかった気がしないでもない。なにせ、勃起力が普通にあったし、エロかったし、おじさん独特のな匂いもなかった。3年程指名をしてくださったが、私の方が嫌になり、NG客にしていただいた。NG客にしていただ理由はたいしたことではない。年齢のわりに頑固で利己的。あげくケチ。本番を迫って来る。私はほとんど呆れ返っていた。いい歳をして。なんて稚拙な行動を取るのだろう。と。毎回業を煮やしていた。83歳だからといって高齢者優遇、割引、などがあるわけではない。83歳でも立派な男である。普通の男。年齢と心が伴わない男性が多い。男性はいつまでたっても少年の心で、老いてゆくさまが顕著にわからないのだ。女性みたいに、生理もないし、妊娠や出産を経験するわけでもない。まして、更年期などもないし、無論、閉経もない。
 
 平坦に凡庸にときはすぎてゆき、老化をやっと意識するのが唯一、勃起力の低下と体力の衰え、陰毛の白髪くらいだろう。女性ほど、老いなどは感じないのだ。芸能人でも40代〜50代の俳優は若い。若作りをしているわけでもないが、少々の気づかいと、人に見られる仕事なが故、歳を取るのが遅くなるのだ。風俗に出向くお客さんも気だけは若い。そうして男である確認をして帰ってゆく。それこそが男の若さを保つ秘訣なのだろう。
 
 83歳のお客さんの風俗デビューはなんと、75歳だったといった。よく昔話をしてくれたが、ほとんど小説に出でくるような昔の話で驚いたが、この男性は75歳まで奥さんとしかしたことがなく(25歳で見合い結婚)あげく、フェラの初体験も75歳の風俗嬢だといった。
 
 それから風俗にはまってしまい、風俗遊びをおぼえたと語った。奥さんとはそれでもセックスをするといった。しかし、奥さんも70歳を越えたところだ。女性側もそのくらいの年齢まで到達をすると、どうやら挿入よりも温もりを求めるそうで、子どもに戻ってゆくみたいだよ。と言っていた。男も女も結局死ぬまで男であり女なのだろう。
 
 男と女の脳内はあまりにも違い過ぎるが、年齢を重ねるにつれて同化してゆくのかもしれない。頑固さや、利己的になるのは最後のあがきで、そうやって男であることを鼓舞するのだ。



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