アブナイ誘惑につられそうになった夜

 初めて務めた会社でのこと。ある商社で営業事務の仕事をしていた。私が在籍していた部署のフロアは男女あわせて、60名ほどが机を並べて仕事をしていた。社内恋愛が盛んで、職場結婚率も高かった。社長も大いにけっこうと、推奨していた。私もそこそこ楽しんでいたけれど、社内の人でなく、会社に出入りする営業さんと内緒で良い仲だった。

 同期のIちゃん。上司や幹部からウケが良い。ファッションが個性的で、それがオヤジウケ
しているのが不思議だったけど。いつも何かと大役に抜擢されている。毎日遅くまで会社に残っているし。同期同士で「飲んでるからおいでよ」と誘ってもなかなか来ない子だった。

 いつものごとく、同期と飲んだ帰り道、急にアイスが食べたくなった私はコンビニに立ち寄る。するとIちゃんが買い物かごにいろいろ放り込み、レジで会計中だった。すると後ろからIちゃんに合流しお金を支払っているのは、なんとH部長だった。(どうゆうこと?!イケナイもん見ちゃったような・・・残業にしては、ずいぶん遅いし、何してるんだろう。)会計を済ませたふたりは、タクシーに乗り込み、行ってしまった。

 H部長の怪しい噂は気になっていた。気になる女の子を食事に誘い、あわよくば・・・な展開を狙っていると聞いた。

 仕事が忙しくなり、毎日残業していた時に「蘭くん、寿司でも食べにいかないか?」とH部長からお声がかかった。「部長、お腹ペコペコですよ。いいですね!!」即効誘いに乗る私。(彼氏も最近かまってくれないし。)「裏のコンビニで待ってて、俺はタクシー呼んでくる」この言葉(人目につかないように!)とも取れる。

 ひとまず、寿司屋で乾杯し、ササーっと注文して食べ終えると、部長の顔つきが変わってきた。(アブナイ予感・・・)ホイホイ着いていった私もどうかと思うけど、上手く切り上げて帰らないと、お持ち帰りされそうな雰囲気になってる。

「蘭くん、行こう」と私の手をひき、タクシーに乗り込む。「○○ホテルまで」と部長が運転手に告げる。(マジですかー・・・)「部長・・・私は駅までで・・・」「なに?」と言い肩をがっちり抱いてきた。(こわいー)「蘭くんの同期のIくんはなぁ、へそにピアス開いとるんだぞ。あいつは淫乱だ。君もだろう?」「わわわ私はそんな・・・。部長失礼します。」と部長から離れ、信号待ちしていたタクシーから無理やり降りる。

 無我夢中で駅まで突っ走る。部長から聞いた衝撃の事実が今も頭から離れない。



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