レズビアン風俗と女性セラピスト

最近、女性向け風俗でレズビアン風俗のお店以外でも「女性セラピスト」を見かけるようになりました。すでに施術を受けたことがある、という方も少なくないかもしれません。

レズビアン風俗の話題はこれまでにもKaikanコラムで登場したことがありますが、最近では「レズビアン風俗」の枠にとらわれない新しい女性向け風俗の形として、女性セラピストによる女性へのサービスが選択肢になってきています。今回はそんな情報をアップデートできればと思います。

レズビアン風俗、広まる

「レズビアン風俗」「レズ風俗」という言葉が一般の認知を獲得したのは、2016年に発表された永田カビの漫画「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」と言われています。イラスト、漫画、小説の投稿や閲覧が楽しめるSNSサービスのpixivで、閲覧数480万超の話題作として一躍有名になり、のちに書籍化されました。

内容は、28歳で性的経験のない女性が、息苦しさを感じる日々に向き合うなかでレズビアン風俗に出会い、人生の転機を迎える──というもの。「心を開くって、どうするんだっけ…」不器用で赤裸々な著者自身の実録は、多くの共感を得たのと同時に、「レズビアン風俗」の存在を広く知らしめることになりました。

レズビアン風俗のセラピストとユーザーの実際

日本初のレズビアンカップルYouTuberがリアルなレズカップルの日常を配信するYouTubeチャンネル「エルビアンTV」によると、レズビアン風俗のユーザーで完全にレズという人は意外に少ないのだそうです。

来店する方には、女性のことを知りたい人、女性との経験は無いけど女性と「いける気がする」人、レズビアン(女性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、ストレート(異性愛者)、男性の恋人がいる人、夫がいる人、ただ話を聞いて欲しい人など、様々です。

番組に出演していたレズビアン風俗セラピストのセクシュアリティはというと、「パンセクシュアル」と呼ばれるものなのだそうです。

このセクシュアリティの人たちは、時と場合によって好きになる人が変わり、セクシュアルも変わる・・セクシュアルに関係なく、好きになった人が好きというところが特徴です。パンセクシュアルである有名人に、ジョニーデップの娘リリー・ローズがいるそうです。

ちなみにパン(Pan-)には「すべて」という意味があり、これは性別によって固定されない、全てのセクシャルを性愛の対象にするということを表します。

レズビアン風俗、施術と現場の裏側

レズビアン風俗の経営者である御坊という方が書いた「すべての女性にはレズ風俗が必要なのかもしれない」を読むと、ユーザーの利用感覚はどちらかというと「エステ」に近いようです。また、レズビアン専用ではなく、利用する女性のセクシュアリティに制限が設けられていないため、様々なセクシュアリティの方々が訪れるそうです。

例えば・・セックスレスだが不倫はしたくない、知らない男性と二人きりになること自体が怖い、パートナーを裏切りたくないという方もいれば、セクシャリティで悩んでいる、感情がもやもやとくすぶっている・・。

お店を利用したことがきっかけで自分のセクシュアリティを自認できたという声もあるそうです。身体の性と心の性の複雑な関係は自分でもわからないことがあります。人と接するうちに、理屈でなく見えてくるものがある、と著者は言います。

そんな背景があり、性別やセクシュアリティには線を引かず、心と身体を満たすこと、愉しいことをしたい、気持ちよくなりたい、という思いに応える施術を、それぞれのユーザーに合わせて提供しているそうです。

ちなみに男女カップル向けのコースはレズビアン風俗ならではのユニークな内容で、男女カップル+女性キャスト1名、もしくは2名でホテルに行き、女性客は女性キャストと1対1のプレイ、または2対1の3Pプレイを愉しめます。カップルの男性客の方は側で見ているだけ。「寝取られプレイ」が好きな方には興奮必至とのことです。

※施術内容やメニュー、オプションはお店によって異なるため、事前にご相談されることをオススメいたします

女性向け風俗店の女性セラピスト

最近見かけるのは、女性向け風俗店で男性セラピストと肩を並べて活躍する女性セラピストです。

デートはもちろんのこと、女性的、男性的、どちらの方向からもアプローチできる性感サービスを受けられます。女性向け風俗業界を女性セラピストの視点から見る女同士のトークなども盛り上がるようです。レズビアン風俗とはまた少し違う楽しみ方ができそうです。

あなたのセクシュアリティは?

改めて、自身のセクシュアリティ=性的特質は何でしょうか?「男」「女」と明確に回答する人がいる一方で、心と体の内側に気持ちを向けたとき、もしかするともやもやとしてはっきりしない・・という人もいるかもしれません。それは、100人いればそれぞれに男女のセクシュアリティの要素が個性的にグラデーションを描いているからに他なりません。

セクシュアリティは複雑で微妙なものなのです。

男脳?女脳?

ところで、あなたの脳は男脳ですか?それとも女脳ですか?

脳科学者は、完全な男脳、あるいは女脳を持つ人のどちらもいない、といいます。すべての人は、男脳と女脳のミックスで成り立っているからです。言われてみると、誰しも自分の性質や性格の中に「男っぽい部分」や「女っぽい部分」が混在していることに気が付きます。

医学的な性別は、卵子と精子が受精をした瞬間に決まります。その後胎内で女性ホルモンと男性ホルモンを浴びながら、それぞれの「個」性をつくりあげていきます。

医師から聞いた興味深い話があります。

異性に興味をもつ前に、同性に恋心のような感情を抱くことがある。それが思春期を経てそのまま大人になっても続く人と、そうでない人がいる。つまり「異性愛も、同性愛から始まる・・」というのです。

セクシュアリティの種類

ここでセクシュアリティについて補足をしておくと、いわゆるストレート=異性愛者以外に、LGBTと呼ばれるものがあります。

東京レインボープライドのwebサイトによると、LGBTとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)の頭文字をとった単語で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称のひとつです。

電通ダイバーシティ・ラボの2015年調べ(全国69,989名にスクリーニング調査を実施)では、日本におけるLGBTの割合が人口の7.6%存在すると言われています。

性について考えるとき、単純に「男性」「女性」だけではなく、様々な切り口がありますが、主に以下の3点で捉えます。

  1. 身体の性
    性器、性腺、染色体などの身体的特徴で分けられる性のことです。
  2. 心の性(性自認)
    自分自身はどんな性だと思うか、ということ。
    男性だと思う人、女性だと思う人、中性だと思う人、性別は決めたくないという人など、様々です。
  3. 好きになる性(性的指向)
    好きになるかならないか、なるとしたらどんな性の人を好きになるか、ということ。異性を好きになる人、同性を好きになる人、どちらの性も好きになる人、性別で好きになる人を決めたくないという人、特定の誰かを好きにならないという人など、様々です。

近年はLGBTに代わり、SOGIという言葉で表現されることもあります。
SOGIは「Sexual Orientation and Gender Identity (性指向と性のアイデンティティ)」の頭文字からとった言葉です。これは、誰もがそれぞれのセクシュアリティを持っているという考え方に基づいています。性の豊かさを感じさせる言葉です。

LGBTに含まれない性的マイノリティもあります。

I:インターセックス
 →身体の性別の特徴が男女どちらかであると言えない

A:アセクシュアル
 →男女どちらにも性的な魅力を感じない

Xジェンダー
 →「心の性」が男性、女性のどちらかに規定できない、しない

ノンセクシュアル(非性愛者)
 →恋愛感情を持っても性的欲求を抱かない

パンセクシュアル
 →「好きになる性」が性別にとらわれない

トランスヴェスタイト/クロスドレッサー
 →異性の服装を好んで着る

セクシュアリティはLGBTとそれ以外の人でくっきり分かれているのではなく、グラデーションになっています。 

LGBTQIA+?

全米で大絶賛されているというセクシュアリティの本「13歳から知っておきたいLGBT+」では「LGBTQIA+」という言葉が出てきます。YouTubeで2200万超の再生回数を誇る著者のアシュリー・マーデルは、自身のアイデンティティをこのように紹介していました。

「とてもフルイドでクィア、そしてバイ、パン、マルチセクシュアルという言葉を区別せずに使うことに心地よさを感じる。恋愛の指向はデミホモフレキシブル、ジェンダーはクエッショニングだけど、おおむね女性とアジェンダーアジェンダーの間のどこか。今はノンバイナリー、ジェンダー・ニュートラル、バイジェンダー、デミガール、ジェンダーフルイド、ジェンダークィア、ジェンダーフラックスといった言葉も試している。パートナーとは1対1の関係が好き」

セクシュアリティの多様性を物語る自己紹介です。

「枠を越えて」楽しむ

レズビアン風俗のセラピストがコラムでこんなことを書かれていました。

「セクシュアリティは、これから出逢う人やキャスト(セラピスト)、パートナーによって変わっていくこともあると思いますし、無理に決めつける必要はないと思うんです。」

もしかすると、女性セラピストとの出会いが新たな自分の発見になるかもしれません。いずれにしても、性別を超えて繋がれる、癒しあえる関係は魅力的です。

自分の中にある女性性と男性性、そのグラデーションを見つめてみる──セクシュアリティがどうあれ、結果として自分らしく、前向きに、日々を楽しく生きていくことができたら最高です。

近い将来、男性セラピストの強力なライバルは、他でもない女性セラピストになるかもしれません。



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