サイバーセックスはWithコロナ時代のスタンダードになるのか?

サイバーセックス、という言葉を聞いたことがありますか?

文字通り「仮想空間での性交渉」ということですが、インターネット環境の普及に加えて、新型コロナウイルスの世界的パンデミックにより、いっそう注目を浴びています。

サイバーセックスでどんなことをするのでしょうか。実際に会わず、お互いに触れてもいないのに満たされるものなのでしょうか?

■サイバーセックスの定義

Wikipediaで調べてみると、サイバーセックス ( Cybersex ) とは、コンピュータネットワーク(主にチャット)を介して別の場所にいる2人以上の参加者がお互いに官能的なメッセージを送信し合い、性的興奮を得る事、とあります。

コンピュータセックス ( computer sex ) 、インターネットセックス ( internet sex ) 、ネットセックス ( net sex )、日本国内ではチャットH、チャH、裏クチュなどとも呼ばれ、参加者はまるで本当の性行為を行っているかのような文章を打ち合います。一種のロール・プレイで、お互いのエロティックな妄想を掻き立てることで性的な高みに達します。ロール・プレイのためにアバターが使われることもあります。

■サイバーセックスの方法

サイバーセックスは、一般的にウェブサイト上のチャットルームやインスタントメッセージを使って行われます。Skypeのような音声・ビデオチャットやZoomビデオミーティングシステム、オンラインゲーム「World of Warcraft」や「Second Life」のような仮装世界のシステムが使われることもあります。

テキストベースのサイバーセックスは数十年前から存在していたものの、最近はウェブカメラの普及によりその通信機能を利用して自分達の姿を互いに晒し合う参加者が増えており、その方法はより視覚に訴えるものとなっています。

 

■新型コロナウイルスで変わる「セックス」

新型コロナウイルスのパンデミックによって他者との社会的距離を取ることが強いられるいま、セックスも新しい方法を模索するべきときに来ています。

ネットやメディアでは、「隔離」や「距離」の影響で、アダルトグッズの売れ行きが上昇しているといいます。

実際、少なからぬ人々が最新のセックス・ガジェットを試したり、VR(ヴァーチャルリアリティ)のストリップクラブにアクセスしたり、 Zoomセックス・パーティに参加したりしていることがネット検索などをすると分かります。

キーワードは「距離」。リモート・コントロールのアダルトグッズ、離れた場所からパートナーと性的に関わるテクノロジー・・・。

 

■サイバーセックスのメリット

サイバーセックスは肉体的接触がないため、性病をはじめとする病気の感染や妊娠といったリスクを冒すことなく性関係をもつことができます。

また、HIVのような感染症患者は相手を感染の危険に晒すことなく性交渉できます。

さらに、遠距離恋愛や単身赴任などの際に、パートナーとの関係を維持することにも一役買います。

 

■サイバーセックスは実際どんなもの?

サイバーセックス ネット恋愛エロ事情」平戸京子 には、サイバーセックスの実態が48例紹介されています。そこには、様々な事情、様々な性関係が生々しく描写されています。

それによると、文字のチャットだけでもかなり「感じる」ことができるのが分かります。さらに声を聞くと急に相手への親近感が増し、お互いに感情が高ぶりやすい様子が見て取れます。

現実では恥ずかしくて面と向かって言えないような言葉も、サイバー空間ではなぜか言えてしまうということもあるようです。

「セカンドライフ」のような仮想世界では、男女の性別を決めるのも自由です。女性が男性になったり、動物になったり、妖精や人魚になったり・・。恋をする相手も自由です。そこではかなり自由なセックスが可能です。

ただ、困った事態も多々あるようです。

例えばリアル世界の自分の夫が、仮想世界で他の女性アバターとバーチャルセックスをしていることを偶然知ってしまったり、仮想空間だけで楽しむはずの激しいプレイを、彼女が現実世界でも求めるようになって、彼氏が困惑してしまったり・・。

現実世界の気持ちなのか、仮想空間だけの気持ちなのか、境目があるのか無いのか、自分でもわからなくなってしまうこともあるといいます。

ちなみに、あくまでサイバー空間だけの恋愛ゲームのはずなのに、アバターを操作する「中の人」に本当の恋心を持ってしまう人を、少々皮肉を込めて「直結」さんと呼ぶこともあるそうです。
 

■不倫の密会はサイバーセックスから

フリージャーナリストの秋山謙一郎氏によると、FacebookやLINE、mixiなどのSNSを通じて不倫相手を探し、リアルでは会わず「サイバーセックス」で満足する関係もあるといいます。(参考)https://diamond.jp/articles/-/95836?page=3

ある44歳の専業主婦は、SNSで出会った相手とまずはネット上で文字によるサイバーセックスをして、文字でのやり取りで相性が合えば、音声でも「逢う」。そして音声でも嗜好が一致すれば、実際に肌を重ねる・・。ここまでくると、もうお互いの性的嗜好もほぼわかっているので、間違いないそうです。

 

■56歳の独身男性が55か国5000人の女性と「サイバーセックス」

「体験ルポ 在日外国人女性のセックス」出町柳次 は、「国連加盟193か国の女すべてとヤる」を目標に掲げた著者が、ネットを駆使して行った「サイバーセックス」やリアルのセックスの成果を一冊にまとめたものです。

文字やビデオでやり取りし、時には相手の心とカラダを開くまでに3ヶ月をかけて攻めていく著者のエネルギーは相当なものです。各国女性の「サイバー上」での性癖にも色々あることがわかります。

これだけの数、国々の相手と「逢う」のは、サイバーセックスだからこそ可能なことでしょう。

 

■ココロごとサイバー空間にダイブする

いったい、実際に肌を重ねることなくセックスをして、満たされるのでしょうか?

実際は、満たされる以上にサイバー空間の悦楽にハマり得るようです。

甘い言葉や音、それに映像を交わすうちに快感が増幅し、サイバー空間の快楽に溺れていく──。

 

■サイバーセックス中毒にご用心

Wikipediaの説明には、サイバーセックス依存に陥いる患者が増加中であることが一部の心理療法士から報告されていると書かれています。

「サイバーセックス強迫症」と呼ばれる中毒症は、インターネットの匿名性に加えて「リスクがない」という意識によって、多くの人々が陥る病になっているそうです。

アメリカでは今から20年前の2000年頃には既にサイバーセックス中毒が問題化しており、アリゾナ州ウィッケンバーグの中毒治療センター、メドーズ研究所で性的障害を治療するドクターが、中毒症状を特定する基準として以下を挙げていました。

〇過度の行為・・・サイバーセックスに、1週間あたり6時間から8時間以上を費やす。

〇問題の認識・・・自分に何らかの問題があることをわかっている。

〇実生活への影響・・・仕事や人間関係に悪影響がある。

〇自分で行為を止めることが不可能・・・自分で限度を設定するが、守れない。

PC自体が性的な衝動の引き金になることさえあり、「コンピューターの起動音」や「モデムの接続音」などが刺激となるのだそうです。

現在、多くの大学や心理学関係の団体などがサイバーセックスとその影響を研究しています。

 

■「サイバーセックス中毒」の実態

2005年にカナダで公開されたドキュメンタリー映画「オー・コム:サイバーセックス中毒」(O.Com: Cybersex Addiction)では、カナダで増え続けるサイバーセックス中毒の実態を探っています。この映画によると、サイバーセックスに週(しかも毎週)11時間以上を費やす北米人は、800万人にのぼるといいます。

このドキュメンタリーでは、人にとって最も親密な「性的出会い」において、ネットと人の間にもはや境界は存在しないことを描いています。仮想世界がリアルの世界よりも説得力があり、より「現実的」になってしまった人々──先ほど挙げた「サイバーセックス ネット恋愛エロ事情」にも同様の中毒症状の人たちが何人も出てきます。これは、仮想空間のアバターに本気になる「直結」さんよりもさらに深みにはまった領域と言えそうです。 

 

サイバーセックスはリアルのセックスに劣らぬ、もしくはそれ以上に危険なまでの快楽を呼び起こすことがある・・ということを心に留め、あくまでも冷静に、「お愉しみ」として付き合うのが正解かもしれません。



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