「性的な刺激やオーガズムは女性の健康にどう影響するか」産婦人科医、高橋怜奈先生に聞きました

産婦人科医で現役プロボクサーとして試合も出場するアクティブな高橋怜奈先生。産婦人科医の視点から女性向け風俗は必要か否かに関する素朴な疑問を、色々と伺いましたよ。

 

――まず女性向け風俗への印象っていかがでしょうか。

 高橋怜奈(以下、高橋) いますごく全国的に女性向け風俗店が増えていると聞いて、それだけ利用者も増えているのだろうなあと感じています。私自身は利用したことはありませんが、正直、興味のある分野ですね。ようやく女性の性欲が世の中に肯定的なものとして捉えられるようになってきたのだなと。

 

――確かに、たとえ恋人や旦那さんなどのパートナーがいたところで、その方との性的欲求が同じ時や状況とは限らないし、そのように、単純に欲求不満を解消したいって時には良い、と思われますか?

 高橋 そうですね。パートナーがいてもいなくても、性的に満たされずに欲求不満が溜まり、満たされない気持ちがストレスとなるのであれば、なるべく早くに解消した方がいいです。その手段としてマスターベーションや女性向け風俗を選択するのはいいと思います。

 

――性的な欲求不満が溜まると、心身ともにどのような影響があるのでしょうか。

 高橋 なにかを我慢し続けるのは良くありません。なぜならストレスが溜まるからです。ストレスは溜まりすぎると自律神経のバランスを崩しますし、そのような状態が長く続けば女性ホルモンの分泌のバランスをも崩します。性欲は男女ともに食欲と睡眠欲に並ぶ三大欲求のひとつで、とても大事なものです。この三大欲求がバランスよくうまく満たされていることが健康な心身を保つのです。

 

――ちなみに…セックスをしないのは女性の健康に悪影響はあるのでしょうか?

 高橋 基本的に悪影響はないし健康を害することはないです。でも、長い間セックスしていないと、いざセックスしようとしたときに気持ちはあっても体が追いつかないで濡れづらかったりとか、、長らくしなかったために緊張して体が強張ったりすることで挿入時に痛みを感じたり、膣の萎縮が起きることがあると思います。40代後半から50代以降の閉経前後のタイミングで誰もが膣の萎縮が起こり得ますが、これは性生活の有無によっても個体差が生じるものです。

 

――濡れにくかったり膣が萎縮したりすると、どうダメなのでしょうか。

 高橋 やはり、したくても痛くてできないというのが最も辛いですよね。長らくセックスをしていないと、気持ち的には準備万端なのに体が反応せずに濡れないということは往々にしてあります。自分の意思と反してできないことがストレスになることもあるでしょう。

 

――よく、セックスをしていないと女性の更年期の進行が早くなるとか、子宮系の癌になりやすいなどの噂を聞いたことがありますが、どうなのでしょうか。

 高橋 更年期の進行とセックスの有無は直接的には関係がありません。もし関係があるとしたら、セックスをすることで欲求不満が解消される人の場合、長い間、その不満が解消されなければ自律神経は乱れます。従って、間接的には関係があると言えるかもしれません。

 

――セックスをしていないと癌になりやすい、というのはいかがでしょうか。

 高橋 それは全くの無関係です。たとえば、子宮頸がんなどはその95%以上がヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルス感染が原因と言われています。このHPVは性交渉を経験した女性の半数以上が感染していると言われます。つまり、子宮頸がんに関していえば、セックスをしない方がむしろリスクは低いわけです。

 

――では、イクという経験をしている女性とそうでない女性とでは、何が違いますか?

 高橋 オーガズムは学習です。一度でもその感覚を知ることにより“こうしたらオーガズムに達せる”という方法を知っているか、否かの違いです。その感覚を経験していれば、自身でもマスターベーションでオーガズムを感じられるし、セックスの際にも“こうしてほしい”と伝えられ、セックスでオーガズムに達しやすくなると思います。セックスはマスターベーションと違ってコミュニケーションが重要ですから。

 

――女性向け風俗のメリットはどんなところにあると思いますか?

 高橋 性的に満たされない思いや状況を知り合いや男友達を相手に手っ取り早く解消できたら良いですが、そう上手くいかないですよね。なので、時間とタイミングとお金を使うことで満たすことができる点ではないでしょうか。

 

――女性向け風俗を利用するにあたり、気をつけた方が良いことなどはございますか?

 高橋 やはりオーラルセックスといって、クンニリングスやフェラチオといった口腔性交を行う場合もあるのであれば、性感染症のリスクも男女ともに念頭に入れておいた方が良いとは思います。

 

――最近は女性向け風俗店側も性感染症検査を男性セラピストに義務付けているところもあり、徐々にその意識は高まっています。

 高橋 それは素晴らしいですね。性感染症は性器同士の粘膜接触以外でも、クラミジア感染症、淋菌感染症、梅毒、ヘルペス感染症の感染者とオーラルセックス(口腔性交)を行うことで感染する可能性はありますから。ですのでセラピストだけでなく利用される女性側にも、定期的な性感染症検査の意識はお持ちいただいた方が良いかもしれませんね。性感染症の検査って、どうしても恥ずかしい検査と捉われがちですが、自分を守る大事な検査ですので、ぜひ意識していただきたいですね。

 

――では最後に、kaikan読者にメッセージをお願いいたします。

 高橋 先ほど性欲は三大欲求のひとつだと言いましたが、その三つの中でもとくに食事が大事な人、性欲が大事な人、それは人それぞれだと思うんですね。性欲が大事で、それが常に満たされて心身ともに前向きでいられることが一番だと思いますので、相手がいてもいなくても、何か性的に満たされない、あるいはトキメキを楽しみたいとか遊びの一環のひとつだとかの願望があるなら、ぜひ前向きに女性向け風俗を楽しめば良いと思いますよ。

 

――ほんと、先生にそう言っていただけると“楽しんでいいんだ”って安心しますね。

 高橋 女性が興奮して濡れることは、いわば運動して汗をかくのと同じようなもの。汗をかくと新陳代謝が上がって体全体の細胞が活性化されます。私はふだんボクシングをしていると“体内の細胞もイキイキしてるなぁ”って感じます。それと同じように、何か刺激を受けて興奮し、高ぶり、膣が濡れることで膣の細胞の活性化にも繋がります。多くの女性が満たされた性生活を送れることが一番です。

 

満たされた性生活、送りたいですね。女風体験は、いわば“膣活”のひとつ! 今日も元気に楽しみましょーう!

高橋怜奈

Twitter【@renatkhsh

350名以上の女医が所属するプロモーション会社「女医+(じょいぷらす)」所属。東邦大学医療センター大橋病院・婦人科在籍。趣味はベリーダンスやボクシング。ボクシングは好きが高じて2016年にプロテストに挑戦して合格、世界初の女医ボクサーとしても活躍中。ボクシング活動を行うことで子宮頸がんのワクチン接種を広く啓蒙。ダイエットや食事療法、運動療法のアドバイスも行う。



この記事を書いた人

河合桃子